チャプター 76

私は携帯を見つめていた。ベティの家の客間の寝室、その闇の中で画面だけが青白く光っている。あの不穏な激突音のあと、ベンジャミンとの通話は唐突に切れ、私の手元には不安をかき立てる疑問だけが残された。

いったい何があったのだろう。ヘンリーは本当にけがをしたのだろうか。

いろいろあったはずなのに、胸の奥では昔から変わらない心配がじわじわと私をむしばんでいた。私はそれを振り払おうとした。ヘンリーはもう私が気にかける相手じゃない。今度こそ彼が引き起こした厄介事なら、イザベラにでも始末させればいい。

それでも、私の指は折り返しの通話ボタンの上で止まったままだった。

「もう、最悪……」

私はそうつぶ...

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